インターネットの仕組みの記事で解説したWebサイトですが、サイトの管理を行うためには、サイトのコンテンツを管理する言語であるHTML(HyperText Markup Language)を使って更新していかなければなりません。
この作業はかなり大変で、サイトのコンテンツが多様、多機能になるに従ってどんどん手間がかかるようになりました。
これを簡略化するために作られたのがCMS(Contents Management System)です。
このCMSとして、今や、業界標準(デファクトスタンダード)の地位を築いたのがWordPressです。
今回は、WordPressがどのような仕組みでWebサイトの管理を行っているのかを極簡単に解説したいと思います。
詳しいことは、この記事の情報を参考に、掘り下げたいキーワードでググってみてください。
Webサイトの表示の仕組み
「インターネットとWebサイト」の記事で書きましたが、Webサイトの中のWebページは、HTMLと呼ばれる言語により記述されたデータをパソコンのブラウザに転送して、表示する仕組みとなっています。
Webサイトのページデータの更新は、このHTMLファイルを更新することになります。
これらのHTMLファイルは、Webページ同士で呼び合いを行ったりしているため、その呼び合いの追加や更新などの整合も含めて、更新する必要があります。
CMSはどんなソフトなのか
CMSはWebサイトのコンテンツの作成・管理・更新の全てを行うことが出来る統合環境と言えます。
そして、ユーザーパソコンのブラウザからのリクエストにより、所定のページを生成して返すというWebページの表示処理も行います。
Webサイト管理の難しさ
Webサイトの管理は、全てHTMLによるページデータの記述によって行われています。
インターネット上にWebサイトが立ち上がり始めた頃には、全てのHTMLデータを手作業のコーディングにより作成していました。
HTMLはプログラミング言語ではないものの、多数のタグの意味と使い方を理解したり、タグの入れ子(タグの中にタグが入る)構造に従って記述する必要もあり、プログラミングの経験が無い人には、非常に敷居が高い物でした。
このため、Webページを簡単に作成するためのツールとして、ホームページビルダーの様なワープ感覚でWebページをデザインする事で、HTMLを作成する事が出来るようなツールが生まれました。
このようなツールにより、一般ユーザーがWebページを作るための敷居はかなり低くなりました。
しかし、その作業は、全て、ローカルのパソコンで行われるため、作成したHTMLファイルは、ftpと呼ばれるファイル転送ソフトやツール内の機能を使って、Webサイトのサーバーの所定のフォルダに転送して、ファイルを更新する必要があります。
ユーザーは、ローカルのパソコン上にWebサイトの全てのコピーを持ち、その中のHTMLファイルを更新し、更新したファイルをftpを使ってWebサイトにコピーすることで、Webサイトを維持していました。
このような管理のため、ローカルのパソコンを使ったWebサイトのメンテナンスは、更新の影響を受ける全てのHTMLファイルを更新して、Webサイトに転送するという作業が必要なため、漏れが生じたり、更新作業の不備による情報の不一致でWebページが正しく表示されなくなるなどの問題がありました。
CMSの動作
CMSはWebサーバー上で動作し、データベースにWebサイトの表示に必要なコンテンツデータを保存しています。
Webページの更新もCMSを使って行うため、ローカルのパソコンにはWebサイトのコンテンツは保存されません。
ユーザーは、ローカルパソコンのブラウザからWebサイト内のCMSにアクセスしてコンテンツを更新。コンテンツの更新作業が終われば、作業は終了となります。
新しいWebページを追加した場合のTOPページの情報もCMSが勝手に生成してくれるので、Webページの追加の都度、TOPページの更新を行うという作業も必要ありません。
CMSがWebサーバー上で動作するため、Webサーバにアクセスできれば、複数の端末から更新が可能で、場所や人にも依存しません。スマホやタブレット端末からでも更新可能です。
CMSは、これらの機能を実現するために、Webサーバーで動作するプログラムによって実行されています。
このプログラムはCMSにより異なりますが、PerlやPHPと呼ばれるプログラムです。
Webサーバーでは、これらのプログラムをHTMLと同様に解釈し、実行します。
このプログラムにより、Webサイトのコンテンツの維持管理の全てを行います。
さらに、CMSによって、方式が異なりますが、WordPressでは、Webサイト管理の基本的な情報やプログラムは、HTMLやPHPファイルに保存しています。
また、ユーザーが作成した個々のWebページの情報は、MySQLのデータベースファイルに保存しています。
Webサイトを閲覧するユーザーからのリクエストがあると、所定のWebページをデータベースから情報を読み出して、都度、HTMLファイルを生成し返すと言う動作を行います。
TOPページを含む個別のWebページは、HTMLファイルとして、Webサイト上に存在していないのです。
これが、WordPressの特徴的な仕組みになり、この特徴により、Webサーバの処理能力により、Webページが表示されるまでに時間がかかるというデメリットがあります。
サイトにアクセスが集中すると、これが問題になることもあります。
WordPressほどのシェアはありませんが、日本では、Movable Typeと言うCMSがある程度のシェアを持っています。WordPressは完全無料ですが、こちらは、個人利用は無料ですが、サポート無し。商用利用は有料でサポートあり。と。ターゲットが異なっています。
また、機能面では、Movable TypeはWebサイトの更新を行った際に、表示に必要なHTMLファイルを全て生成すると言う違いが有ります。
このため、Webページのリクエストに対して、生成済みのHTMLファイルを返すだけの処理となるため、レスポンスも早く、アクセス集中による速度低下の影響を受けづらいというメリットがあります。
CMSの処理方式による違いはありますが、基本的な仕組みとしては、Webサイトのコンテンツの作成・管理・更新の全てをWebサーバー上で管理でき、ユーザーのWebサイト維持・管理のための労力を大幅に削減できる物です。
WordPressの特徴
ブログで収益を上げる、アフィリエイトサイトを開設する際には、無料のブログサービスを利用するか、有料のWebサーバーにWordPressを使ってWebサイトを立ち上げるかの二択で、収益を優先するのであれば、WordPress一択と言われています。
CMSはWordPress以外にも沢山有りますが、個人ブログサイトではWordPressがダントツのシェアを誇っています。
WordPressの人気の理由をざっと挙げる以下のようになります。
- 無料である。
- 機能を拡張する膨大な数のプラグインが作られている。
- テーマも有料、無料含めて沢山の中から選ぶことが出来る。
- ユーザーが多いため、情報が豊富で入手しやすい。
- SEOの管理機能も豊富。
反面、デメリットは、メリットの反面とも言える、
- Webページ表示速度が遅くなりやすい。
- セキュリティーの脆弱性やハッキングのリスク。
- 本体の更新の影響。
- 多数のプラグインのバグや相性の問題など。
が挙げられます。
これらのデメリットが有っても、デメリットを克服してメリットの方が大きい事が人気の理由と思います。
まとめ
WordPressは、
- Webサーバー上のHTMLを解釈し、PHPプログラムにより機能を実行している。
- このことは、WordPress本体の機能、プラグインも全て同じである。
- サイト管理者が作成・更新したWebページは、データベース内に保存される。
- Webページの表示は該当ページのデータをデータベースから読み出し、HTMLを生成して返される。
以上、Webサイトの仕組みと、CMSとしてのWordPressのWebページ管理の特徴と仕組みについて簡単に説明しました。
実際には、処理の高速化の仕組みなど、ここでは説明していない機能も沢山有ります。
WordPressのWebサイト管理について、ある程度のイメージが出来るようになれば、運用の際にやりたいこと、困ったこと等が出てきたときの対処についての理解もしやすくなると思います。
初心者の方のWordPressを使ったWebサイト管理の、理解の参考になればと思います。
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