皆さん。音楽ストリーミングサービス使ってますか?
私は、iPodをずっと使っていることもあり、暫くApple Musicを契約していたのですが、今はSpotifyの有料サービス(プレミアムプラン)に乗り換えています。
今回は、Amazon Music も使ってみて、最終的にSpotifyにした経緯などを書いてみたいと思います。
この記事は、ストリーミングサービス毎の特徴を説明した比較記事ではありません。
ストリーミングサービスを検討中の方が、ネットで情報検索した時に、そこから得られる情報の意味、解釈の仕方などについて理解を深めて貰い、自分に合ったサービスを選ぶ参考にして貰えることを目的としています。
使ってみたストリーミングサービス
現在、ストリーミングサービスは13社くらい有るようですが、私が使ってみたサービスは、Apple Music、Amazon Music(Unlimited含む)、Spotifyです。
「Apple Music」
私は、初代iPod touchを購入して以降、若干飛ばした世代もありますが、世代毎に買い換えてきました。スマホはずっとAndroidだったこともあり、音楽プレーヤーはiPod touchをメインに使ってきました。そんな状況もあり、ストリーミングサービスは、Apple Musicを契約して、暫く使っていました。
「Amazon music」
Amazonもプライム会員だったので、Amazon musicも使うこともありましたが、200万曲程度しか聞けないこともあり、お試し期間を使って、Amazon music Unlimitedも使ってみました。
「Spotify」
Amazon Musicを使ってみても、Apple Musicから乗り換えるというような大きな魅力を感じることも無かったため、そのまま、Apple Musicを使っていました。
Spotifyの存在も知っていましたが、どのサービスもそんなに変わる物じゃないだろう都の思い込みもあり、自分から進んで、聞いてみることは有りませんでした。
そんなときに、youtubeでApple MusicとSpotifyの比較レビュー動画見つけました。
そこでは、Spotifyを絶賛している内容でしたので、Spotifyに興味が沸き、無料でもかなりいろんな曲を聴けることが判ったので、視聴してみました。
ストリーミングサービス比較の見方
ストリーミングサービスの比較を行っているブログサイトは沢山有りますが、大体そこで取り上げられている比較要素は以下の物があります。
・曲数
・音質
・付加価値サービス
これらの評価項目について、評価結果をどう解釈すべきかと言うことについて、私の考えを書いておきます。
曲数
扱っている曲数ですが、多いに越したことはありません。
ですが、4000~5000万曲以上の曲を扱っているサービスでは、その差の違いが大きく影響してくることはほとんど無いと思います。
影響があるとすれば、そのサービスがどのようなジャンルの曲に強いのかどうかです。
日本人であれば邦楽がメインという人も多いと思います。
自分の好きなジャンルの曲に強いかどうかが大きなポイントになると思います。
音質
結論から言うと、どのサービスも音質での大きな違いは無いです。
ただ、全く同じかというと、そうではありません。
デジタルデータですから、配信の元となる楽曲のソースが同じであれば、それが100%とユーザーに伝われば、違いは全くない。といえますが、配信される楽曲の音質を左右する要素があり、サービスによりその影響を受けるためです。
音質の比較で出てくる要素に、データ配信のビットレートが有ります。
元々アナログデータである音声や映像のデータは、デジタルデータに変換(量子化)した時のデジタルデータ量が大きければ大きいほど、音質や画質が綺麗に再現できます。
コンピュータによるデータ通信では、デジタルデータをデータの最小単位であるビットの列に変換して伝送されます。このデータ通信のスピードをビットレートと言います。単位はbps(bit par second)で、1秒間に伝送されるビット数で表します。
音楽デジタルデータの音質は、量子化の際のデータサイズに依存するので、高音質のデータを伝送するためには、沢山のデータを送る必要があるため、伝送のデータ量(ビットレート)も増えます。
ストリーミングサービスの元となる楽曲データは音楽CD等のメディアで供給されたデジタルデータになるので、先の「ソースが同じであれば」と言うのは、同じCDのデータを使っているもであれば。という意味になります。
CDのビットレートは、1411.2kbpsです。
CDに記録されているデジタルデータは、楽曲の波形データを音の大きさを0~65585の数値化(16Bitデータ)したデータを1秒当たり44100個並べて保存しています。この1秒当たり44100個のデータをサンプリングレートと言い、44.1kHz(44100Hz)の周波数値で表します。CDのデータは16bit、44.1kHzのクオリティーとなります。
これをそのままデジタルデータで伝送すれば、CDの音質クオリティーのまま、相手に伝えることが出来ます。
CDに記録されているデジタルデータの量は?
CDにフルに記録されたアルバムをまるごと伝送すると700MBのデータ通信が発生します。スマホのデータ通信契約が一月7GBとすると、ざっくりCDアルバム10枚聴けば、使い切ってしまうことになります。さらに、このデータを保存するとしても、結構なサイズになってしまいます。
それでは困るので、音楽データも映像データも、伝送するための時間と通信負荷を軽減するために圧縮処理をしてデータサイズを小さくして保存、通信しています。
ここで出てくる、データ圧縮の方式の違いによって、音質に違いが出てくるのです。
何故かというと、デジタルデータの圧縮は、一般的に非可逆圧縮が用いられているからです。
「可逆圧縮」
デジタルデータの圧縮というと、圧縮ファイルの「.zip」という拡張子の付いたファイルをよく見ると思います。この「.zip」は、そのままでは保存サイズが大きくなるファイルや大量のファイルを一つにして、サイズを圧縮したファイルです。
ここで使われる圧縮の方法は可逆圧縮という物で、圧縮ファイルを元に戻した(解凍)場合に、圧縮前のデーターを100%復元することが出来ます。そうでなければ使い物になりません。
音楽データも同じように「.zip」として、可逆圧縮することでサイズを小さくすることが出来ますが、データの性質上、パソコンの文書ファイル等のようなファイルと比べると、余り小さくならないんです。(圧縮率が高くならない)
「非可逆圧縮」
このため、楽曲データの圧縮では、人間の耳にはほとんど聞こえない高音域などを切り捨てる等の処理を行って、データ量を減らし、圧縮率を高くしています。
この圧縮処理をエンコード処理と言い、それを元に戻す(伸張)処理をデコード処理と言います。
エンコード処理で切り捨てられた高音域のデータはデコード処理では復元できないため、デコード処理されたデターはエンコード処理前のデータとは違ったデータになってしまいます。
この、圧縮前のデータに完全に戻すことが出来ない圧縮の方式を非可逆圧縮と言います。
楽曲データの圧縮でも、完全に元に戻せる可逆圧縮の圧縮方式もあります。
その代表格がFLACで、ハイレゾ音源用の圧縮方式です。
今回の記事では、ハイレゾについては語りません。
ストリーミングサービスで配信されるデータは、この非可逆圧縮されたデータです。この時点で、オリジナルのCDの音質では再生できないことが確定となります。
ストリーミングサービスで使われている圧縮/伸張(エンコード/デコード)方式には複数の種類があります。この方式によっても音質の違いが生まれます。
さらに、同じエンコード処理でも、圧縮後のデータサイズは、圧縮率(ビットレート)によって音質に影響を受けます。高い圧縮率(低いビットレート)では、失われるデータが多くなるため、音質は悪くなります。
このことから、ストリーミングサービスで提供しているビットレートも比較要素になります。
ビットレートが高ければ高いほど音質は良くなります。
逆に、データ通信量は増えるので、データ通信料金が従量制のサービスでは、通信費は増えることになります。
ビットレートの音質の目安ですが、圧縮方式としては、今は古い部類に入るmp3で言うと、
・128kbps有ればいい音と思える。
・192kbpsになれば、オリジナルのCDと聞き比べても遜色ない。
・256kbps、320kbpsこの辺になると違いは聞き分けられない。
参考サイト https://aviutl.info/onnsitu-hikaku/
他には、AACやAAC V2やそれ以外の圧縮方式のサイトもあるようですが、方式による音質に若干の違いはある物の、ビットレートによる違いは、概ね同じレベルです。
現在のほとんどのストリーミングサービスサイトのビットレートが256kbps以上、320kbpsがほとんどなので、聞き比べて違いが判る人は凄い人だと思います。
という事で、長くなりましたが、音質は、違う要素はあるが、大半の人は、聞き分けられないか、非常に微妙な違いしか感じる事は出来ないでしょう。
「再生側の環境による音質制約」
もう一つ、音質に制約を付けることになる要素として、ヘッドホンの接続方式があります。ワイヤレス接続のヘッドホンでは、スマホとヘッドホンの間もデータ通信になるので、ここでもデータの圧縮が行われます。ここでの圧縮による音質低下も有るので、ストリーミングサービスでのビットレートの違いによる音質の優劣の要素は、ここでもさらに薄まります。
サービス面での違い
レコメンド機能
どのサービスも、曲名やアーティストで検索すれば、それが出てくるのは同じです。
Apple MusicやAmazon Musicは、その人が聞いた曲やアーティストを聴いている人が良く聴く曲やアルバムの情報、プレイリストなどをいかがですか?という感じで提示されます。
これが、AmazonであればAmazonらしく、この商品を買った方は、こんな商品も見ています。という感じの情報提示なんです。
Spotifyは、アルゴリズムはよく分からないのですが、その人の嗜好に合わせたアーティストやジャンルの曲を提示してくるんです。
これが凄く自分に合っていて、こんな曲も有ったな~とか、この曲は初めて聴くけど、結構良い感じなので、このアーティストの曲を検索して聴いてみよう。
となる事が多く、自分の知らない曲や、聴いてみて思い出した曲などが沢山出てきて、楽しいです。
Apple MusicやAmazon Musicでは、自分の知識ベースで検索した結果に紐付いた曲の範囲から抜けづらく、アプリの中での新しい曲との出会いが限られた印象を受けるのですが、Spotifyは聴けば聴くほど、いろいろな新しい曲に出会える。
そんな感じのするサービスというのが私の印象です。
Spotifyは洋楽に強いサービスと言われており、邦楽が好きな人は、ライブラリ面では他のサービスと比べて弱いと言われているようですが、今では邦楽もかなり充実してきているようです。
私は、Spotifyでは懐かしい系の洋楽を聴くことが多いので、そのようなサービスの嗜好も私に合っている様です。
それと、アプリの操作性の面で、Apple Musicのアプリは、画面の中の横スクロール表示を行うと、横のスクロールが止まるまで、縦のスクロールが認識されない仕様になっており、そこがストレスが溜まるという評価もあるようです。
そのような評価がyoutubeの複数の動画で紹介されていました。
マルチデバイス対応
SpotifyのアプリはPC、スマホ、タブレットなどマルチデバイスに対応したアプリがリリースされています。
マルチデバイス対応は、他のサービスにも有りますが、Spotifyのアプリは、その時点で曲を再生しているデバイスを他のデバイスが認識するので、他のデバイスの再生コントロールを別のデバイスのアプリで行えてしまいます。
例えば、iPod touchでヘッドホンやBluetoothスピーカーで曲を再生しながら、WindowsPCで作業していてもPCのSpotifyアプリを立ち上げておけば、PCアプリ画面で、iPod touchで再生している状態が見えます。その状態でPCアプリで別の曲を選んで再生するとPCアプリではなく、今、曲を聴いているiPod touchの再生曲が切り替わります。要するにPCアプリが、iPod touchアプリのリモコンになるのです。
このような使い方をすることはあまりないと思いますが、よくできているなと思いました。
無料プランでも全ての曲が聴ける
Spotifyは、無料プランがあり、全ての曲を聴くことが出来て、有料のプレミアムプランの殆どの機能が使えるという特徴が有ります。
勿論、制約はあります。
無料プランの制約は、シャッフル再生しか出来ない、曲の途中に広告放送が入る。ダウンロードが出来ない。最高音質が選べない。一月あたりの再生が15時間まで。等があります。
これらの制約を我慢できれば、無料プランで使えます。
私は、広告放送が嫌でさっさとプレミアムプランに変更しました。(お試し期間も3ヶ月有るので。)
まとめ
ストリーミングサービスからSpotifyを選んだ理由を、サービスの比較要素の観点から、書いてみました。
曲数や音質面では大きな違いが無いと判断されれば、一番大きな比較要素は、サービス内容や料金プラン。アプリの使い勝手が選択の決め手になると思います。
私は、Amazonプライム会員なので、Amazon Musicは無料、Amazon Music unlimitedは月額780円で聴くことが出来ます。Spotifyの月額980円と比べるとお得ではあるのですが、200円多く払っても、Spotifyの方が良いと判断しました。
Spotifyに興味を持たれた方がいましたら、まずはSpotify Freeの無料プランでお試し。さらに、お試し期間によるお試しの上、判断されるのも良いと思います。
今回の記事で記載した、比較要素についての説明が、皆さんのストリーミングサービスを選ぶ参考になれば幸いです。
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